前回ブログで紹介した事業がまたグダグダになりつつある設計部の小川です。
今回からまたブログの構成を通常の整備・点検の方法と事例の紹介に形に戻します。
皆さんはちゃんと機械の整備を定期的に行っていますか?
どの機械にも言えますが通常の運転とは異なる音・振動の異常な増加が発生し始めた時に迅速に点検・整備をすることはとても大事です。
今回は荷物運送業務用のトラックの多くに搭載されているリフトローラーを挙げてみました。
目次
- 1.そもそもリフトローラーって?
- 2.リフトローラ付きのトラックを使っててこんなことになった事ありませんか?
- 3.整備手順
- 4.より長持ちさせる為のポイント
- 5.まとめ
- 6.お問い合わせ
1.そもそもリフトローラーって?
リフトローラーは運送用トラックに搭載された、単独系油圧シリンダーで昇降するローラーリフトです。
スイッチを入れてる間は中にオイルが注入されピストンを押し上げローラーが上昇した状態になります。
逆にスイッチを切ると荷物の重みでシリンダーが戻され、自動的に下がる仕組です
ローラー部は運転席で任意で昇降させることが出来、荷物を運び込んだり、運び出したりする時にローラーを上げた状態にして荷物の出し入れを容易にすることができます。

リフトローラーとその動作の図

リフトローラーの昇降と単独系油圧シリンダーの仕組みのイメージ図
2.リフトローラ付きのトラックを使っててこんなことになった事ありませんか?
ある日リフトが昇降出来なくなったりしたことはありませんか?
それはオイル漏れやピストンの破損が原因かもしれません。
オイル漏れを起こすとピストンを押し上げることが出来なくなる為荷物の出し入れ時に利用できなくなる他
安全性のため工場の出入りが禁止される場合もあります。
ですのでそうなった時にどうやって修理すれば良いのか、そうなる前にどのような対策を取ればいいのかを弊社で実際に行った施工事例を交えて紹介します。
3.整備手順
その1・リフトローラーとシリンダーを固定している金具を取外し分解します。
今回の場合このリフトローラーの下に単独系油圧シリンダーがあり、トラックの下からリフトと一緒に取り付けられている金具によって取り付けられています。

リフトローラーの取外し作業の様子
その2・そのあとトラックの下にあるシリンダーを取り外しましす。
丸の部分に油圧ポンプが内蔵されておりその上に単独系油圧シリンダーが取り付けられています。シリンダーの固定具はリフトローラーと一緒に固定されている状態なので先に上からリフトローラーごと固定具を取外した後に、下からシリンダーを取外すようにしないと外せません。
その3・シリンダーを分解してパッキンやオイルシールの寸法を測定しそれに合わせてメーカーに発注します。
今回の場合シリンダーが特注品の為、分解した時にパッキンとオイルシールの寸法を測定し、それにあった部品を専用のメーカーに発注してそろえることで交換修理を行いました。
その4・シリンダーのパッキンを交換し組み立てます。
その5・そして修理したシリンダーとリフトローラーを組み付けをした後試運転して問題がなければ修理完了です。
4.より長持ちさせる為のポイント
運転中や荷物の出し入れ中にこのようなオイル漏れが出ては遅いので、
そうならない為にも運転手が出発前に毎回点検したり、定期的なメンテナンスをすることが大事です。
また定期的な交換(約3年毎に)もしっかり行いましょう。
5.まとめ
どんな機械も使い続ければ部品は劣化し、いずれ不具合が発生します。
発生した不具合は大小関係なくなるべく早く取り除くべきですが、今回のようなオイル漏れの場合発生しても異音がしない場合が多く気づき難い上、その場で直ぐに修理できない為故障する前に出発前に毎回点検するようにして、定期メンテナンスもしっかり行いましょう。
弊社ではメーカー問わず両吸込みポンプの修理・定期メンテナンスを請け負います。
下記の連絡先に気軽にお問い合わせください。
6・お問い合わせ
TEL 027-324-8748 メール info@shuuwaeng.com

「機械保全・修理110番」編集部

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