みなさんこんにちわ~
仕事でもプライベートでも時間配分を改善したい設計部の小川です。
前回紹介した3Dスキャニングアームを運用した3Dモデルの抽出の方法に引き続き、今回は弊社が3Dスキャニングアーム用いて行った読み取り実験を紹介します。

3Dスキャニングアームについては前回の[新事業・ポータブル3Dスキャンアーム(設備紹介編)](http://www.kikai-hozen.jp/case/6279)を参照してください。

目次

  • 1-1. 測定物の概要[シャフト編]
  • 1-2. Gomagic Wrapによる3Dデータ化[シャフト編]
  • 1-3. CAM2Mesure2018とピックプローブによる測定[シャフト編]
  • 1-4. CAM2Mesure2018とレーザープローブによる測定[シャフト編]
  • 2-1. 測定物の概要[インペラー編]
  • 2-2. Gomagic Wrapによる3Dデータ化[インペラー編]
  • 2-3. CAM2Mesure2018とピックプローブによる測定[シャフト編]
  • 3. 分析・今後の課題

1-2から2-3までの作業はメーカーと相談しながらの研究、実験期間を含め、
計1ヶ月で行いました。

1-1. 測定物の概要[シャフト編]

まず最初に他のメーカーから預かっている円筒状のシャフトを測定する実験を行いました。

IMG_3762固定

今回の実験に使用された円筒状のシャフトをシャコ万力で固定している様子

CAM2Mesure2018で測定を行う時は測定が終わるまで決して動かしてはならない為、シャコ万力でしっかり固定します
(但しまだ検証中の為完璧な固定が出来ているとはいえません)

シャフトの3Dデータと寸法図

シャフトの寸法図と3Dデータ化したシャフト

シャフトをマイクロメーターやノギスで直接寸法を測りそれを基に作成しました。
後述するCAM2とプローブによる測定実験に必要です。

1-2. Gomagic Wrapによる3Dデータ化[シャフト編]

Gomagic Wrapを用いてシャフトをアームのレーザースキャンで3Dスキャンし点群を取った後それらをポリゴン化します。
その後シャフトを固定する為の台ごとスキャニングしている事やレーザーの反射によって、出来た余分なポリゴンや不自然なバリ部分、欠けている部分や穴あきを埋めた後シェイプフィットサーフェス化して他のCAD・CAMソフトでも使用可能な状態にします。
作業時間・最短で4時間程度

シャフトポリゴンデータ化

スキャンしたシャフトの点群の画像                                                                                    点群のポリゴン化

点画合成

点群の合成

どうしてもポリゴンの穴埋めが難しい場合再度3Dスキャンを行い、新たに点群を取り、前の点群と合成します、
そうする事で再度ポリゴン化したときに精度がよくなります。

1-3. CAM2Mesure2018とピックプローブによる測定[シャフト編]

次はその2で測定したシャフトを今度はCAM2Mesure2018を用いて測定します。
見本として作成したシャフトの3DCADデータを予めCAM2Mesure2018にインポートしておきそれから面の要素を指定し、順番にシャフトの円筒面をピックプローブで接触測定します。(画像9-1参照)
作業時間・最短で1時間半程度

ピックプローブをシャフトに当て、測定する様子

読み取り作業時の画像6

インポートしたシャフトの3DCADデータから、円筒部の計るべき要素を指定してるときの様子

 

このあと要素を指定した順番に実際の測定物の面を測定すると自動的に測定データが3DCADモデルと重なり比較できるようになります

シャフト測定データレポート画像

測定した面データとインポートした3DCADデータをアライメント(重ね合わせ)した時の画像 (レポート化する時の画像)

設定すれば具体的な数値も出すことが出来ます。

1-4. CAM2Mesure2018とレーザープローブによる測定[シャフト編]

1-3と同様にシャフトの3DCADデータを予めCAM2Mesure2018にインポートした後
アームのレーザースキャンで3Dスキャンし点群を取り、シャフトの3DCADデータに重ね合わせます。
作業時間・最短で2時間程度

読み取り作業時の画像5

シャフトをレーザースキャンで読み取った時の点画の状態

緑の部分は読み取ったデータの値がインポートした3DCADデータの寸法に近いことを意味してると思われます。

シャフト測定データレポート画像改

点群データから抽出した面要素の様子

段差部分の面は綺麗に測定できず、点画が並行にならなかったので抽出できませんでした。

シャフト測定結果

2-1. 測定物の概要[インペラー編]

次に同じく他のメーカーから預かっているエンペラーを測定する実験を行いました。

IMG_4454インペラーの固定

今回測定したインペラー

独特な曲面と狭い溝部分で構成されている為測定が困難です。

IMG_3340延長プローブ

延長プローブを取り付けた状態で固定されたインペラーを測定する様子

このように延長プローブを使えば狭い隙間でも図れるようになることがあります。
(ただ今回は溝が狭すぎて完全な測定が出来ませんでしたが)

2-2. Gomagic Wrapによる3Dデータ化[インペラー編]

Gomagic Wrapを用いて今度は他のメーカーから預かっているインペラーをアームのレーザースキャンで3Dスキャンし点群を取った後それらをポリゴン化します。
その後レーザーの反射によって出来た余分なポリゴンや不自然なバリ部分、欠けている部分や穴あきを埋めた後シェイプフィットサーフェス化して他のCAD/CAMソフトでも使用可能な状態にします。

夜間測定

インペラーをレーザースキャンしている様子

レーザースキャンする時はこのようになるべく暗い部屋で行ったほうが測定しやすいです。
(そうしないと日光や部屋のライトの光の反射でレーザーの光が薄まって読み込みにくくなる為)

読み取り作業時の画像19

Gomagic Wrapでのインペラーの点画データ

まだ羽と羽根の隙間に大きな穴が開いていたり余計な点群があるので何度も点画を取って合成したり、ポリゴン化したときに穴を埋めたりする必要があります。

読み取り作業時の画像18

点画の部分削除の様子

読み取って出来た点群で要らない部分を範囲指定(赤くなっている部分)を削除します。

読み取り作業時の画像3

二つの点群のマージ(合成)中の様子

同じインペラーから読み取って出来た2つの点群データをそれぞれ同じ箇所に3点指定し合成します。

インペラーのポリゴン図1月25日時点

ポリゴン化したインペラーの点群

この後中心部の穴を完成させたのちシェイプフィットサーフェイス化します。

読み取り作業時の画像20シェイプフィット1

更に自動サーフェイス化したインペラーのポリゴンデータ

この状態にすれば他のCAD/CAMソフトでもデータファイルが使用可能になります

2-3. CAM2Mesure2018とピックプローブによる測定[シャフト編]

シャフトをCAM2Mesure2018を用いてアームのレーザースキャンで3Dスキャンし点群を取り、そこから面を抽出し、測定します。

読み取り作業時の画像13

CAM2Mesure2018でのインペラーの点画データ

しかしこの作業は測定物のインペラー自体の複雑さゆえに殆ど面を抽出できなかった為現在保留中。
またプローブ測定も延長プローブで隙間を計測しようとしたところ、隙間に上手く入らず計測できませんでした。現在隙間に入るもっと細身の延長プローブの購入を検討しています。

3. 分析・今後の課題

Gomagic Wrapを用いたシャフトの3Dスキャンは円筒部分のスキャニングは容易でしたが、レーザースキャンという関係で細かい溝(特にネジ部分)はスキャニングが難しく(光が当たり難い部分があったり、シャフト自体の光沢によるレーザー光の反射が多くなり、点群が歪む為)どうしてもポリゴンの修正・編集が多くなって時間が掛かってしまい、さらにあまりに編集が多くなりすぎて精度の信憑性が薄くなる問題点が発覚し、ネジ部だけ上手くサーフェイス化できませんでした。一方インペラーの方は羽根の根元の隙間部分のスキャニングが難しく(光が当たり難い部分があったり、シャフト自体の光沢によるレーザー光の反射で点群が歪んだり、羽根の隙間部分にレーザーが届き難い為)どうしてもポリゴンの修正・編集・点群の取り直し及びマージが多くなって時間が掛かってしまい、さらにあまりに編集が多くなりすぎて精度の信憑性が薄くなる可能性も残っていました。

ただGomagic Wrapを用いれば機械部品の3Dモデルの再現が以前より容易になることは確かです。

CAM2Mesure2018による測定ではシャフトの場合レーザスキャンの誤差がカタログに記載されている数値を超えていて、インペラーにいたってはピックプローブ式・レーザープローブ式どちらの方法でも殆ど面を計測できませんでした。メーカーに問い合わせ相談した所、やはり光沢による反射の影響を受けている可能性が高いので測定物に何か粉を塗すなどして光沢を無くしてから測定したり細身の延長プローブの購入して測定する実験を検討しています。

またレーザースキャンを行う場合なるべく暗い部屋で行ったほうが精度が良くなることも判明しました(日光や他の照明の光が強いと光の反射でレーザーの光が薄まって読み込みにくくなる為)
おそらく大きめで細かい溝、段差が少ない測定物であればより早く正確に測定ができると思われます。
このようにまだ課題が多く現段階ではスキャニングアームによる測定を業務的に実用化できておらず、あまりに複雑な構造の部品の測定は行えませんが。
今後もメーカーと技術的相談もしながら検証・改善を続け、今後実用かできるようにしていきます。
実用化すれば、より機械部品の修復、複製サービスをより高精度で行えることでしょう。

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「機械保全・修理110番」編集部

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新事業・ポータブル3Dスキャンアーム(事例及び実験編)


2019.04.25

「機械保全・修理110番」編集部 「機械保全・修理110番」編集部


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